自分にとってblogは人生の覚書。Art、映画、音楽に関するTopicsを新旧おりまぜ日々更新中。毎日ココロに浮かんでは消える想いなどつぶやきます。たまに旅をします。(c) jigenlove All rights reserved.


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日曜の夜~再びフィリップ・ドレルム~

日曜の夜!
食卓の用意はしない、本格的な夕食はしない。
銘々がよそ行きの服のまま、台所で適当に軽いものをつまむ。
サンドイッチにはさまった冷たいチキンもいいし、残ったボルドーを小さなグラスに注いでそそくさと飲み干すのもいい。
友達は6時になるとすぐ帰っていった。
あとには長い余韻が残っている。
風呂にお湯をいれる。
日曜の夜の本格的な入浴、青い泡をたっぷり立て、おぼろげにかすむ二つの無の間に漂いながら、長々と時間を費やす。
浴室の鏡は曇り、思考はふやける。
とりわけ過ぎた一週間のことなどは考えてはいけない。
お湯に漬かってしわのできた指先の小さな泡に見とれていればいい。
こうしてすべてが空っぽになってから、ようやく抜け出す。
本でも読もうか。それもいいが、しばらくしてからだ。
今はテレビがぴったりだ。
それも一等くだらない番組がいい。
ああ----ただ見るために見る、アリバイもなく、欲望もなく、言い訳もなしにね!
それは風呂のお湯みたいなものだ。
手で触れられる安らぎが頭をしびれさせてくれる。
頭の中をくつろいだ状態にしておけば、寝るまでとても快適な気分でいられる。
夜も更けてくると、小さな憂愁がめばえる。
テレビがしだいにつまらなくなり、そして消す。
やがて気持ちは余所へと向かう。
ときには幼年期までさかのぼり、成績の心配や空想の恋物語で胸をいっぱいにして、ゆったりと歩いた散歩の淡い記憶がよみがえってくる。
何かが通り過ぎたと感じる。
真夏の雨のように、勝手に押し入ってくるあの魂のさざなみ、親しげによみがえってくるあの小さな善悪----それが日曜の夜だ。
何も留まることのないあの偽りの泡のなか、そこにはすべて日曜の夜がある。
風呂のお湯の中で、過去の写真が現像される。
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by jigenlove | 2006-02-19 20:52 | 物語