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自分にとってblogは人生の覚書。Art、映画、音楽に関するTopicsを新旧おりまぜ日々更新中。毎日ココロに浮かんでは消える想いなどつぶやきます。たまに旅をします。(c) jigenlove All rights reserved.


by jigenlove
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Nobody knows

『誰も知らない』~Nobody knows~
監督:是枝裕和
主演:柳楽優弥、YOU、北浦愛、木村飛影、清水萌々子、その他

ようやくビデオで観ました。
端的にストーリーを説明すると、シングルマザーに捨てられた小さな兄弟たちが都会の片隅、アパートの一室でサバイバルする話です。この話自体は事実、台詞などは脚色。

始終たんたんとしたストーリー進行、覗いている視点のカメラワークで、観るものは傍観者として最後まで兄弟を助けることができない。現実でもそうだったように。

×××××××××
こんなにみんなにみもられながら
おまへはまたここでくるしまなければならないのか
ああ巨きな信のちからからことされにはなれ
また純粋なちいさな徳性のかずをうしなひ
わたくしが青ぐらい修羅をあるいてゐるとき
おまへはじぶんにさだめれらたみちを
ひとりさびしく往かうとするか
信仰を一つにするたったひとりのかなしくつかれてゐて
毒草や蛍光菌のくらい野原をただよふとき
おまへはひとりどこへ行かうとするのだ
・・・・・・
髪だっていっさうくろいし
まるでこどもの果の頬だ
どうかきれいな頬をして
あたらしく天にうまれてくれ
《それでもからだくさえがべ?》
《うんにゃ いっかう》
ほんたうにそんなことはない
かへってここはなつのはらの
ちいさな白い花の匂ひでいっぱいだから
ただわたくしはそれをいま言へないのだ
(わたくしは修羅をあるいてゐるのだから)
わたくしのかなしさうな眼をしてゐるのは
わたくしのふたつのこころをみつめてゐるためだ
ああそんなに
かなしく眼をそらしてはいけない
×××××××××
『無声慟哭』
宮沢賢治 著
妹のとし子が亡くなったときに書かれた詩

by jigenlove | 2007-06-24 20:14 | 映画