ジェンダー、フェミニズムにまつわるおはなし
2005年 12月 17日
日時 : 12月17日(土)14:00~16:30
会場 : 日本橋公会堂
主催 : 京都造形芸術大学芸術学研究室
ゲスト : 石内都氏(写真家)、笠原美智子氏(東京都現代美術館学芸員)
【ヴェネツィア・ビエンナーレをこえて】 公開講演会
笠原美智子氏
(2005ヴェネツィア・ビエンナーレコミッショナーを務めて所感を述べる)
<以下覚書として>
イスラエルから帰国したばかり、というのはイスラエルの都市、ハエパというところのハエパ美術館日本館で‘ポスト・ジェンダー展’のキュレーターから声がかかり、調査段階から協力した関係で、オープニングカンファレスに招かれ講演した。
ちなみにイスラエル人の彼女は森村泰昌を卒業論文に取り上げた大の親日家である。こうしてはるか遠くの国で日本の写真家が取り上げられ展覧会が企画されている。世界のいたるところで「ジェンダー論」はますます高まっている
対して日本でのジェンダーやフェミニズムに対する考えや受け取り方は
ヒステリックなおばさんがぎゃあぎゃあまくしたてる、うるさい
という印象なのがおおかたで大半の反応
これに対し先のベネツィア・ビエンナーレで行われたカンファレンスは「漫画におけるジェンダー」「おたくと女性性」、、といったもの。日本人だと一見眉をひそめるような議題が取り上げ議論されている。
ここでジェンダーを専門の私から’ジェンダー’を世界ではいかに捉えられているかについて、その感覚を述べると『’社会に構築された性’であり社会的に、生活レベルで、お互いに昔の価値観では不具合が生じてきている例えばもう少し譲り合ったり、その捉えられ方を修正してお互いに良い関係をもちましょう』ということが可能かとおもう。
ここに国連がまとめている「人間開発研究所」のレポートがある。その中で「人間開発指数」というものがある。これは、寿命、識字率、所得・・・etc国ごとの人のあらゆる意味での豊かさを数値化したもの。
その中で日本は・・・・・・・11位
他にも「ジェンダー・エンパートメント指数」というものがある。
これは、女性の所得、専門職、管理職、国会議員などに占める女性の割合などを数値化したもの日本は・・・・・・
43位。(文句なく先進国の中で最下位、アジアの中でも下位)ここに世界と日本のジェンダーに対する認識の齟齬があるとはっきり言うことができる.
これだけ女性の社会進出と言われて久しい昨今、日本においてはまだインストラクチャー(社会の整備)がなされていない。例えば 女性の就職率は上昇し続けている。しかし調べてみるとその大半がパート。働き方の多様化で目的にあった働き方をしているのならそれは良いことであるから、本人の希望なら良いが、例えば本人は子育てをしながら仕事も責任あるものをしたい、でもできない。夫が育児休暇を取りたいとおもっているけれど男性でなかなか取りづらい、といったことが問題と言える。
もしくは30、40代の女性が独り者だと好奇の目でみられる。男女の意識が変わってきているのに社会の装置ができていない。20~30代の女性の未婚率は急速に上がっている→出生率もこれに伴い減少。この未婚化の流れを受けて専門家はこう言う、
「この社会に対する女たちの答えに他ならない。この状況では生めない、育てられないという女たちの出した歴史的な答えなのだ」
会場 : 日本橋公会堂
主催 : 京都造形芸術大学芸術学研究室
ゲスト : 石内都氏(写真家)、笠原美智子氏(東京都現代美術館学芸員)
【ヴェネツィア・ビエンナーレをこえて】 公開講演会
笠原美智子氏
(2005ヴェネツィア・ビエンナーレコミッショナーを務めて所感を述べる)
<以下覚書として>
イスラエルから帰国したばかり、というのはイスラエルの都市、ハエパというところのハエパ美術館日本館で‘ポスト・ジェンダー展’のキュレーターから声がかかり、調査段階から協力した関係で、オープニングカンファレスに招かれ講演した。
ちなみにイスラエル人の彼女は森村泰昌を卒業論文に取り上げた大の親日家である。こうしてはるか遠くの国で日本の写真家が取り上げられ展覧会が企画されている。世界のいたるところで「ジェンダー論」はますます高まっている
対して日本でのジェンダーやフェミニズムに対する考えや受け取り方は
ヒステリックなおばさんがぎゃあぎゃあまくしたてる、うるさい
という印象なのがおおかたで大半の反応
これに対し先のベネツィア・ビエンナーレで行われたカンファレンスは「漫画におけるジェンダー」「おたくと女性性」、、といったもの。日本人だと一見眉をひそめるような議題が取り上げ議論されている。
ここでジェンダーを専門の私から’ジェンダー’を世界ではいかに捉えられているかについて、その感覚を述べると『’社会に構築された性’であり社会的に、生活レベルで、お互いに昔の価値観では不具合が生じてきている例えばもう少し譲り合ったり、その捉えられ方を修正してお互いに良い関係をもちましょう』ということが可能かとおもう。
ここに国連がまとめている「人間開発研究所」のレポートがある。その中で「人間開発指数」というものがある。これは、寿命、識字率、所得・・・etc国ごとの人のあらゆる意味での豊かさを数値化したもの。
その中で日本は・・・・・・・11位
他にも「ジェンダー・エンパートメント指数」というものがある。
これは、女性の所得、専門職、管理職、国会議員などに占める女性の割合などを数値化したもの日本は・・・・・・
43位。(文句なく先進国の中で最下位、アジアの中でも下位)ここに世界と日本のジェンダーに対する認識の齟齬があるとはっきり言うことができる.
これだけ女性の社会進出と言われて久しい昨今、日本においてはまだインストラクチャー(社会の整備)がなされていない。例えば 女性の就職率は上昇し続けている。しかし調べてみるとその大半がパート。働き方の多様化で目的にあった働き方をしているのならそれは良いことであるから、本人の希望なら良いが、例えば本人は子育てをしながら仕事も責任あるものをしたい、でもできない。夫が育児休暇を取りたいとおもっているけれど男性でなかなか取りづらい、といったことが問題と言える。
もしくは30、40代の女性が独り者だと好奇の目でみられる。男女の意識が変わってきているのに社会の装置ができていない。20~30代の女性の未婚率は急速に上がっている→出生率もこれに伴い減少。この未婚化の流れを受けて専門家はこう言う、
「この社会に対する女たちの答えに他ならない。この状況では生めない、育てられないという女たちの出した歴史的な答えなのだ」
by jigenlove
| 2005-12-17 19:20
| 講演会・シンポジウム