自分にとってblogは人生の覚書。Art、映画、音楽に関するTopicsを新旧おりまぜ日々更新中。毎日ココロに浮かんでは消える想いなどつぶやきます。たまに旅をします。(c) jigenlove All rights reserved.


by jigenlove
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とうめいにんげん

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透明人間 <<とうめいにんげん

そのむかし ひとりのおとこがいた
なやみの種は 目に見えないこと
だけどむかしから 見えなかったわけじゃない
じわじわと 消えていったんだ
けれども まほうや のろいの せいじゃない
事態はもっと 深刻!

ずっとまえはそれでも
すこしは姿が見えたのさ!
それじゃ どうして消えたのかって?
ひとりもいなかったのさ
しんそこ愛してくれる
心ゆるせる友が

だれからも好かれない人は
町の中でもひとりぼっち
だれでもない人なのさ!
はじめに消えたのは なまえ
やがてりんかくが消え
透明になるしかない

こうしておとこは 姿のないままおでかけだ
みんな おどろき あきれて わらいさざめく
身なりはいいけれど
宙にうく ぼうし
かんじんかなめの 顔がない

うんざりした そのおとこ
ある日 芸術家たずねて
仮面をほってもらった
「いっちょう たのむよ
みんなに好かれる 美男子を
似合いの仮面が ほしいんだ」

仮面ができると
昼も 夜も かぶったさ
みんな 仮面にうっとり
けれども しょせんは仮面
おとこはけっきょく 透明人間
だれひとり おとこを気にもとめなかった

おとこは死ぬまで仮面をかぶりつづけた
ここでひとつ 子どもにもわかる
だいじなことを 書いておこう
愛してくれる人には 感謝しよう
愛をあたえる人になろう
姿が消えないために!


『影の縫製機』
ミヒャエル・エンデ /著
ビネッテ・シュレーダー /絵
酒寄 進一 /訳

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by jigenlove | 2007-02-27 23:41 |